映画『キネマの神様』公開記念/女優・北川景子さん×原田マハ対談 vol. 3

2021.08.06
インタビュー

 映画『キネマの神様』で演じた桂園子を、思い入れが強い役だと語る北川景子さん。この映画にとってミューズのような存在の北川さんと、原作者・マハさんとの豪華対談第三回。
(写真/(C)2021「キネマの神様」製作委員会)

素晴らしい女優の方々の功績のうえに、自分は役者をやらせていただいているという思い。

マハ……『キネマの神様』は景子さんにとって、人生の大きな節目になる作品になりましたね。ゴッホの旅をご一緒したときに、「アーティストに描かれることでモデルになった女性たちは永遠を生きる」というお話をしたと思うのですが、まさにこの松竹100周年を記念する映画に、園子役として出演された景子さんは、これから先、永遠を生きるミューズになられたんだなと思います。みなさんに繰り返し見ていただける映画になるであろう『キネマの神様』に、原作者としてノベライズの著者として、山田組の一員に参加させていただいことで、私もちゃっかり永遠の一部になった気がしています(笑)。

北川……園子を演じるにあたって、私も原節子さんの映画を拝見したりして、こういう素晴らしい女優の方々の功績のうえに、自分は役者をやらせていただいているという思いになりました。この先、私が死んだ後、未来の俳優さんがこの『キネマの神様』を観ることがあるのかなあと思いながら、演じているところもありました。

マハ……それがアートワークの素晴らしさで、その場限りで消えていくものはたくさんあるけれど、映画や演劇、小説も音楽も、普遍的に人の心に訴えかける優れた名作というのは、時を超える。遠い未来、松竹映画200年記念のときに私たちの末裔が、「100年前にこんな素敵な映画があった」と話題している、そんな未来を想像して、一人でほくそ笑んでいます。

北川……松竹映画100周年記念の山田洋次監督の映画と聞くと、敷居が高いのかなと想像される方もいるかと思いますが、完成した映画を見て、人を選ばない完全なるエンターテイメント作品だと感じました。今まで松竹映画を見たことない方や、昔からいるすごい山田洋次監督だけど、あまり観たことがないという方、ほんとうにみなさんに観てほしいです。
 もちろんマハさんの原作ファンの方にも、監督が清々しく、潔く変えた『キネマの神様』を観ていただきたいですし、すべての映画ファン、役者に興味がある方に、そして松竹映画ファンの方にも絶対楽しめるものに仕上がっています。

マハ……コロナ禍になり、志村けんさんがなくなったこと、本当にいろいろなことを乗り越えて、今日この日を迎えられたことが感慨深く、感無量です。私が敬愛する山田洋次監督に撮っていただき、景子さんをはじめ、素晴らしい役者の方に演じていただいて、まるで奇跡のよう。

北川……これからどうなってしまうんだろうと思ったこともありましたが、モノを生み出そうとする熱意と、前に進もうとする力で乗り越えてきました。監督をはじめ、この映画に関わるすべてのひとがぜったいに諦めなかった。監督のお姿を見ると、自分のほうが若いんだからもっとがんばらなきゃいけないと刺激もたくさんいただきました。
 コロナ禍でみなさん、疲弊していると思うのですが、エンターテイメントが心を豊かにし、たとえ少しだけでも心に光が差す希望になるんじゃないかという思いを込めた作品です。

マハ……景子さんには女優としての新しいステップをどんどん上っていっていただきたいです。景子さんのプライベートの人生でも、役者としても成長されていることを、近くで拝見できて嬉しかったです。景子さんの活躍は、働くお母さんたちも元気づけられると思いますし、いつまでも美しく、さらに輝いてください。またぜひパリでも日本でも、アートの旅をご一緒しましょう。

(構成/清水志保)

北川景子(きたがわ・けいこ)
1986年生まれ、兵庫県出身。2003年に女優デビュー。2006年「間宮兄弟」で映画初出演。近作に 「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」(19)「ドクター・デスの遺産BLACK FILE」(20)「約束のネバーランド」(20)「ファーストラヴ」(21)がある。

SHARE ON

さらに記事をよむ

TOPICS 一覧に戻る